『竜の学校は山の上』と『竜のかわいい七つの子』です。
この人の漫画をひと言でいうなら「とても巧い」でしょうか。
絵柄の書き分けとか斜め上の発想とかわかりやすい巧さもあるんですけど
なによりごく自然に漫画という表現手段を使いこなしているというかそんな印象を受けるのです。
「記号を食べる」を読んでいただければなんとなくお解りいただけるでしょうか。
でもなにより私が気に入ったのは境界線をすんなりと当たり前のように越えてみせる所です。
この人の作品はファンタジーが多いのですが、ファンタジーだけあって竜やら魔王やらケンタウロスやら
天使やら人魚やら狼男やら超能力家族やらが出てきますが、それらがごく自然に世界と共存しているのです。
ファンタジーなら当たり前じゃないかと思われるかもしれませんが、これが本当に違和感無く存在しているのですよ。
あまりにも自然すぎてファンタジックでない現実がフィクションに思えるくらいです。
うーん、でもこの感覚は読んでもらわないとやっぱり解らないかもしれません。
なので絶対に損はしませんから3冊のうちのどれかを買って読んでみてください。
本の装丁も凝っていて色々発見があって楽しめます。
『ひきだしにテラリウム』が一番読みやすく楽しめると思います。
ちなみに私は『竜の学校は山の上』の「現代神話」と「竜の学校は山の上」がお気に入りです。
杞憂だとは思いますが、
この本を買って読んで損したと思ったのならそれはもう漫画を読む才能がないということなので
金輪際漫画を読もうなどとゆめゆめ思わない方がいいと思われます。
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