2013年12月10日火曜日

いつか記録からこぼれおちるとしても

筑波の農業関係研究施設が集まっている所に行ってきました。

農業環境技術研究所や農業・食品産業技術総合研究機構や片倉チッカリン株式会社など
丸一日掛けて視察させてもらいましたが
一番ぐっときたのが農業生物資源研究所のジーンバンクでした。

ジーンバンクは国内外のあらゆる遺伝資源を収集・保存し活用する施設です。
植物の種だけでなくカビやウィルスのような微生物や動物の生殖細胞など
25万種以上もの遺伝資源がありました。







ここにあるものは保存に最適な環境で徹底して管理されており
何年か毎に劣化を防ぐために増殖させてまで遺伝資源を後世に残そうとしているのです。
こんなもの保存しといてどうするのよといったものもきっとあるでしょうし
誰にも活用されないまま延々と眠り続けるものもあると思います。

それでもこの遺伝資源を守り伝え続けていくのはなんででしょうね?


その答えが『竜の学校は山の上』にありました。

「世の中にはふたつのものしかないっ 役に立つものとこれから役に立つかもしれないものだっ」

「なくしてしまったものをあれは役に立たなかったってことは言えるけどそれは所詮狐の葡萄」
「だから簡単に捨てちゃいけないんだ」
「でも役に立たないと諦めたらそれでは捨ててしまうのと何も変わらないだろ」
(九井諒子著「竜の学校は山の上」より引用)

というわけなんですよね。
そしてこの無駄さが豊かさだと思うんですよ。

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