2013年10月25日金曜日

『キレイゴトぬきの農業論』をキレイゴトぬきで語ってみた


出荷中に使う新聞の書評に載っていたのを偶然知り
興味を惹かれたので買って読んでみました。


私にとっては特に目新しい情報はなかったのですがとても面白く読みました。
ここまでロジカルにやさしく農業について語る才能には本当に感服します。

前書きで「有機農業のキレイゴトに関する疑問に応えてくれる人や本が無かった」と
本を書いた理由を説明されていましたが
確かに「ここまでやさしく」「親切に」説明してくれる人はいなかったかもしれません。

もちろん学術的な文章ならいくらでもありますけどもそんなもの読む人は
久松さんが定義されるところの「変態」と言っても良いと思います。
ネットでもツイッターやブログでニセ科学批判をされてる方もいますが
それ以上にキレイゴトのノイズが多すぎて「変態」でない人には見つけられない気がします。

その意味で「普通の人」にとってこの本は価値があると思います。


タイトルに「キレイゴトぬき」とあるように
内容は一般的な農業のイメージしか持っていない人にとっては
なかなか刺激的で興味深いものばかりです。

「野菜の味は旬と品種と鮮度で8割方決まる」
「高いスキルはなくてもいい」
「農家は“持てる者”」
辺りの文章は非農家出身で新規就農を目指している私も同じように考えていたので
肯定されたようで嬉しかったです。

特に、味は旬と品種と鮮度の影響が大きい点については
似たようなことを別の所で書いたことがあるので
後日改めて文章にしてみたいと思います。

しかし、この本を読んで改めて農業の現状を残念に思いました。
「キレイゴトぬき」と断らないとこんな当たり前のことも話せないこんな世の中じゃポイズン
なかなか良い方向には向かわないと思うんですけどね。

でもこんな素敵なことを考えている人たちもいますし、
私は農業の未来に希望を持っていますよ。

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