この本は人間賛歌の物語だと思います。
人間の可能性を信じて、本当に安心できる安全な未来を目指すために、私たちは何ができるか。それを考えるために、小さいけれど確実なものを丁寧に丁寧に積み重ねていくその方法をこの本は教えてくれます。
人間のもつ「リスクに立ち向かう」営みを知って下さい。もちろん私たちの力は知れたものです。先の震災でも、毎日どこかで起こっている交通事故でも、そのことを思い知らされています。科学や技術は私たちに「絶対安全」を約束してはくれません。
それでも、全てを諦めるのではなく、できることを探し出し、一歩でも前進しようとすること、そして時に人間の力の卑小さと自然の力の大きさの前に頭を垂れること。
この繰り返しこそが、人類が刻んできた歴史そのものとも言えると思います。
私も、著者と同様に、人間のそうした存在の形を受け入れ、また信じたいと思います。
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