2014年2月5日水曜日

諦め力

最近科学や信仰やニセ科学についてよく考えている関係で
kikumaco先生こと菊池誠さんの本を読んでいます。

特に今日読んだ『科学と神秘のあいだ』はとても面白く
いろいろなことを考えさせられました。

その中でも「納得力」という節がグッときました。

誰かを論理で説得する必要がある場合、
論理を語る側に説得力があるだけでは足りなくて
語られる側にも相応の納得力が必要なんだろうというお話です。

確かに、説得力があるように思えるけれども
あいつの顔が気に食わないから納得出来ないという類のことは
割としょっちゅうある話ですよね。

さらにそこから発展して
荒唐無稽な妄想力と遺憾なく発揮されたありあまる納得力とが一緒になった場合
手に負えなくなることがあるということも十分に想像できる話です。
そこに正義感や善意なんてものが加わっちゃったら本当にお手上げで
科学が積み重ねてきた説得力なんて全く意味を持たなくなっちゃいます。

そこで思い出して欲しいのは
希望は持つもので、事実は受け止めるものということです。
その折り合いをつけるのに必要なものが諦め力なんじゃないかなと思いました。

希望を裏切る事実を諦めることで受け入れることができますし
受け入れることができればしぶしぶながらも納得できるでしょう。

こういう訓練って結構大事なんじゃないかなと思った次第です。


科学と神秘のあいだ(双書Zero)

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