2014年3月15日土曜日

現状では実現できなそうだからって、未来もそうだと決めつけるのは無意味だ。 『ゼロからトースターを作ってみた』

『ゼロからトースターを作ってみた』は文字通り、自然に存在している材料を調達して(例えば鉄鉱石を鉱山から掘り出して)部品を作り、その部品でトースターを作ろうという無謀で無茶で無策な挑戦の記録です。もちろん、厳密にゼロから作ろうとしたら宇宙を想像するところから始めなきゃなりませんので、一般的な道具は使用可などのルールを設けてはいましたが、だからといってこの挑戦が馬鹿馬鹿しく馬鹿なことには変わりがありません。

いきなりネタバレしますが、表紙にはとろけたチーズがかかったような黄色い四角い物体の写真が載っており、これこそがその挑戦の結果です。

どこからどう見てもトースターには見えない、不細工で不格好で不気味なこの代物を笑うことは簡単ですし、向こう見ずで世間知らずで後先考えないこの若者を馬鹿にしたくなるのは自然ですが、ちょっとだけ想像力を働かせてみれば、全然笑えないし不自然なんですよね。

私たちの身の回りにあるもので、本当に文字通り英語で言うところの“from scratch”で作れるものってどれだけあるんでしょう?例えば、今私が向かっているChromebookの隣にはメモ帳が置いてあるわけですが、このメモ帳一つとってもとても私には作ることができそうにありません。メモ帳どころかそれの材料である白い紙すら、木からパルプをとって漉くことができたとしても、とてもこんなに薄く綺麗にできる気がしません。
それなのにそんな紙が二束三文で手に入るという不思議。

さて、このコストは一体誰が負担しているんでしょうか?
それとも負担することを先延ばしにしてるのでしょうか?
それともこんなことはコストですら無いのでしょうか?


現代社会は全く不可解ですな。

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